Wifiアダプタのparrotでの検証：モニターモード(2)

前々回は外付アダプタAWUS036ACU（ALFA802.11ac AC1200 MU-MIMO USBアダプタ）を、ラズパイ4B上のParrot OS Security Edition 6.0でのmanaged modeで動作確認しました。

前回はそれをmonitor modeへ変更を試みましたが、 ” ip ” と ” iw ” コマンドを使用するモード変更は不安定であることが分かりました。

今回はこのモード変更を ” airmon-ng ” コマンドを用いて行います。

準備
外付アダプタをモニターモードに変更
電波の収集
内蔵アダプタの無線LAN接続
外付アダプタをmanaged modeに戻す
まとめ

準備

前回の報告の通り、内蔵アダプタはmonitor modeには出来ないようですので、外付アダプタを変更します

	Kali 内蔵	Kali 外付	Parrot 内蔵	Parrot 外付
IBSS	⭕️	⭕️	⭕️	⭕️
managed	⭕️	⭕️	⭕️	⭕️
AP	⭕️	⭕️	⭕️	⭕️
monitor	⭕️	⭕️	ー	⭕️
P2P-client	⭕️	⭕️	⭕️	⭕️
P2P-GO	⭕️	⭕️	⭕️	⭕️
P2P-device	⭕️	ー	⭕️	ー

内蔵:Raspberry Pi 4B内蔵
外付：AWUS036ACU

まずは事前準備として、

sudo airmon-ng check kill

airmon-ngが動作するにあたり、その障害となるプロセスを ” check ” して、それを ” kill ” するというコマンドです。

無線LAN接続が切断された旨の通知が画面右上に出ます。

” ip a ” コマンドで確認すると、この時wlan0（内蔵）とwlan1（外付）は両方とも ” DOWN ” となっており、両者のインターフェースが止まっているのが分かります。

” iw dev ” コマンドで確認すると、wlan1とwlan0の両者とも ” managed mode ” のままです。

外付アダプタをモニターモードに変更

” airmon-ng ” コマンドを使って、外付アダプタ(=wlan1)のモニターモードを開始します。

sudo airmon-ng start wlan1

” iw dev ” コマンドで確認すると、外付アダプタ(=wlan1)は、 ” type monitor ” となっており、モニターモードに変更されていることが分かります。

この状態は時間が経過しても安定して続いていました。

電波の収集

下記コマンドにて無事、電波の収集が行えました。

sudo airodump-ng wlan1

以上、 ” airmon-ng ” コマンドを使用すれば、外付アダプタAWUS036ACUのparrot6.0 on ラズパイ4Bでのモニターモードへの変更及び作動は可能でした。

内蔵アダプタの無線LAN接続

さて、外付アダプタはモニターモードに変更できましたが、せっかくなので内蔵アダプタの方は無線LANに接続したいところです。

結論から言うと、 ” ip ” コマンドでは接続出来ませんでした。

sudo ip link set wlan0 up

wlan0（内蔵）のインターフェースは ” DOWN ” のままです。

そこでネットワークマネージャを再起動させます。

sudo systemctl restart NetworkManager

これで内蔵アダプタ(wlan0)は自動的に無線LANにつながりました。

” ip a ” コマンドで調べると、IPアドレスを貰ってきています。

” iw dev ” コマンドではwlan1（外付）はモニターモードのままであり、wlan0（内蔵）はssid名があり、無線LANに接続されています。

外付アダプタをmanaged modeに戻す

次にモニターモードになっている外付アダプタを、マネージドモードに戻して無線LANに接続してみましょう。

sudo ip link set wlan1 down

wlan1は ” DOWN ” になりました。

この時点ではwlan1はまだmonitorモードです。

sudo iw wlan1 set type managed

wlan1はマネージドモードに変わりました。

sudo ip link set wlan1 up

wlan1のインターフェースを起動しましたが、無線LANには繋がりません。

そこで、やはりネットワークマネージャを再起動します。

sudo systemctl restart NetworkManager

これで無事、無線LANに自動的につながりました。

wlan0, wlan1ともIPアドレスを貰っています。

両者ともmanagedモードになっており、ssid欄で無線LANに接続されているのが分かります。

まとめ

parrotにおいて ” airmon-ng ” コマンドを使用すれば、外付アダプタAWUS036ACUをモニターモードとして安定的に運用することが出来ました。

しかし、元に戻すためにネットワークマネージャを再起動させなくてはならないなど、少し手順が面倒です。