今回は久しぶりの医療モノです。
*この記事は2023年9月出稿です。
(注意)
*アレルギーその他、体質的・医学的理由でワクチンを接種出来ない方は、接種を考えるべきではありません。
*宗教的・思想信条的・その他の理由でワクチンを接種しない方に、ワクチン接種をお勧めするものではありません。
9月下旬よりXBB.1.5の新型コロナワクチン接種が始まります。(都道府県によって開始のタイミングは異なります)
一方でワクチン接種によって亡くなった方も一定数いらっしゃいます。これまで国に認定された方だけでも50人は超えているようです。(正式な集計結果はまだ発表されていないと思います。)
ワクチンを接種するかどうかは個人の判断となっているようですが、現状ではワクチンを接種するべきなのでしょうか。考察してみたいと思います。
用語の定義について
1 有害事象:因果関係の有無に関わらず、発生した有害な症状
2 副作用:因果関係がある有害な症状
3 副反応:2のうち、ワクチンを原因とするもの
本稿ではこれらを全て「副作用」と表現します。
ワクチンの種類について
今回のワクチンは、現在流行の型にどのくらいフィットしているのでしょうか
ウイルスの型
現在流行している新型コロナウイルスの型は、EG.5(エリス)と言われています。
ワクチンの型
一方ワクチンの型はXBB.1.5です。
XBB.1.5は今年6月頃に世界で流行っていた型で、これをターゲットにしてワクチンが開発・製造されました。
なお、この時期日本ではXBB.1.16が流行っていました。
もう既にこの時点でワクチンの型と流行中の型が違っているわけですが、違う型を打つことになる事自体は避けられません。
ワクチンを開発製造している間にも、流行の型が変遷していくからです。
インフルエンザの場合
この現象(流行型とワクチン型が一致しない現象)はなにもコロナに限ったことではなく、例えばインフルエンザでも毎年流行型が変遷するので、毎年流行しそうな型を予測して、見込みでワクチンの製造を始めます。
その予測が外れると流行の波が大きくなる訳です。
新型コロナの場合は流行が始まってからまだ3年しか経っていないので、将来の流行の予測など到底不可能です。
よって出来上がったワクチンが、現在の流行型と一致していないのはむしろ当たり前のことであり、仕方ない事です。
どのくらいの効果があるのか
問題は、型のずれがどの程度効果に影響するのかです。
しかしこれもその計測は用意ではありません。
ワクチンを打って、その後の感染者を観察して、症状・後遺症の程度や割合を計測するので、それらの詳しい数字が判明するのは半年〜1年後のことになります。
現在のところ、全く打っていない人に比べ症状が軽くて済むだろうとは言われています。
ただしその効果の程度や、何%下がるとかの数字まで判明するのはずっと先の話であり、「今打つかどうか」の判断材料には間に合いません。
結局、どのくらい効くのか正確には(数量的には)よく分からないという結論になります。
ちなみにワクチンによる感染防止力の測定となるとさらに計測が困難となります。
つまり、効果がゼロだと断言する訳ではないけど、じゃあ具体的にどのくらいの予防効果や重症化抑止効果があるのか数字で示せと言われた場合、今のタイミングでは誰にも分からない訳です。
ワクチン接種の判断に当たって考慮すべき事項
ワクチンを接種するかしないか。
これを判断するに当たって、どのような条件・事情を考慮しなければならないでしょうか。
新型コロナウイルス感染症という病気の重症度の変化
3年前にコロナが登場した時は、有名人の方が亡くなられたりして、明らかに「死に至る病」でした。
また生命的な死の危険以外にも、社会的な死(感染者に向けられる激しい差別など)の危険も無視できませんでした。
ところが3年が経ち、病気の性質・重症度が「多くの人が一度は罹ったことのある普遍的な病」に近づいて来ました。
もちろん報道されていないだけで、亡くなる方も居なくなった訳ではないですし、後遺症で苦しむ人も一定数居らっしゃいます。
しかし軽症で済む割合が圧倒的に多くなった(なので報道される価値も無くなってきた)のは間違いありません。
病気の軽症化はワクチンの必要度が低下してしまったことを意味します。
ワクチンの副作用
一方で、日本でもワクチンで亡くなる方は多数おられて、一部の方は公式に認定されています。
最初はコロナは死ぬ病気であったので、多少のワクチン副作用死のリスクがあっても、ワクチンを打っておいた方が得という計算が成り立つでしょう。
しかし、死なない病気に対するワクチンの副作用で死んでしまったら何のことやら分からなくなります。
ワクチン接種後の心筋炎による突然死などがよく問題になります。
若い一人暮らしの人が自宅で亡くなっていたのを発見された話は時々聞きます。私の知り合いの知り合いにもそういう方がいらっしゃいました。
若い一人暮らしの方がワクチンを打つ場合は、打った当日は誰か友達とかの家に泊まらせてもらうのも手だと思います。いざという時、看病してもらうために。
ワクチンの製法は基本的に同じなので、重篤な副作用の発現率には変化はないと思われます。(十分に低い確率なのですが、それでもある一定の確率で死亡が発生します。)
年齢(高齢者の場合)
一方、高齢者のワクチンの副作用の話は若い人に比べて軽いようです。ワクチン後の発熱が全く無い人も多いです。
高齢者は若い人に比べワクチンの副作用は少ない傾向で、一方で病気の重症化が起こったときの被害(合併症による死亡を含む)が高く、若年者はその逆ということが言えると思います。
合併症(持病)があるかどうか
元々何らかの持病を持っている方は、コロナに感染すると重症化しやすいと言われています。その意味では持病のある方はワクチン接種した方がいいと言えます。
一方で、ワクチンの副作用の発生率も、持病を持っている方の方が高いことが分かっています。この辺りをどう考えるかは個人の判断となります。
治療薬があるかどうか
治療薬が無い時代は、予防が唯一の治療手段なので、ワクチンの必要性が高いと言えます。
一方、治療薬が開発された現時点においては、例え感染しても治療手段がある訳であって、ワクチンの重要性は相対的には低下していると言えます。
治療薬の効果は100%ではありませんが、一方でワクチンの効果も100%ではありません。
就労している仕事の種類(社会的要因)
仕事に就いている方は、「自分の仕事が他人による代替が効く仕事かどうか」ということも判断材料になると思います。
例えば、
- 代替が効く仕事ならワクチンを打たない。コロナにかかったら休みをもらえてラッキー。
- 代替が効かない仕事ならワクチンを打つ。コロナにかかっても軽症で済み、早期に仕事復帰を目指せる。
などといった考え方もありかも知れません。
結論
結論を表で表すと、(めちゃくちゃ乱暴な表ですが)
高齢者 | コロナ感染による持病の重症化による命の危険を重視して選択する |
若年者 | 副作用の心筋炎による突然死の危険を重視して選択する |
基本的にはこれくらいで良いのではないかと思います。
あとは個々の事情に応じての判断です。
私自身はどうするつもりか
私は現在まで5回打っています。最終は昨年11月です。
60代で、糖尿病持ちなので、1年に1回くらいは打っておこうかと今のところは思っています。
でも正直、あまり乗り気ではないですけど。
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