今回は医療モノ。
というか患者は自分自身です。
実はここ3ヶ月間、頸椎椎間板ヘルニアで苦しんでおり、今回はその顛末記(但し進行中)です。
前徴
2024年12月頃(発病4ヶ月前頃)に風邪をひき、その際に左背部に違和感を覚えました。
痛みが強くなっていき、やがて痛みで左側臥位で寝ることが出来なくなりました。
風邪が治った後も左背部痛は強くなり、さらには左手尺側(小指側)に痺れが出現しました。
発症
2025年4月 休暇で旅行中に背部が激痛となり、痛みの為に仰臥位も出来なくなりました。
翌日は旅行を切り上げ帰りましたが痛みで車の運転も困難となり、鎮痛剤を飲みまくって湿布を貼りまくりました。
その翌日は何とか午前は出勤しましたが、午後から休務せざるを得なくなりました。
痛みの為、全く眠れないことが一番の苦痛でした。
痛みのない状態がどんなに恵まれた状態なのかを痛感しました。
確定診断
左上肢のしびれを伴っているので整形疾患だと思っていましたので、その翌日に整形外科に受診し頸椎MRIで頸椎椎間板ヘルニアによる左C8神経根障害と診断され正式病名がつきました。
第7頸椎と第1胸椎の間にある椎間板からヘルニアが飛び出して左の第8頸神経の根部を圧迫して、神経痛を発症しているという病態です。
激痛があるとはいえ、いきなり手術はしないとのこと。
まあそうでしょうねえ。
というわけでタリージェという内服薬での治療開始となりました。
タリージェは普通の痛み止め(消炎鎮痛薬)ではなく神経痛の薬です。副作用はふらつき、眠気など。
療養生活
とりあえず、仕事は何とか続けられました。
ソファで座ったままなら眠れることを発見して、生活はかなり楽になりました。但し座って寝ると、朝には臀部痛になりました。
長時間の同じ体位の継続は痛みの為に困難でした。
5月になりタリージェはMAX量(30mg)になりました。
痛みは30%〜60%くらいで変動していましたが、日常生活は何とかできました。
6月に入り痛みは10%まで減少しましたがこの間の運動不足で体重が4kg増えてました。
内科受診
7月の検診では予想通り持病の糖尿病が悪化していました。運動不足が続いて体重増加していましたので。
これまでは食事と運動療法のみで何とか凌いでいました。
その翌日、糖尿病薬の内服を観念して内科を受診しました。
体重は5kg増、糖尿病よりも脂質異常症(高コレステロール血症)が深刻だといわれてしまいました。
以下、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)を単にコレステロールと表記します。
*ちなみに善玉コレステロールは、HDLコレステロール。
これまでコレステロールについてはノーマークでした。
頸動脈エコー検査をするとプラークがあり、コレステロールは半減(150台から70以下に)が目標値となりました。
プラーク:血管の内側に出来たコレステロール(やその他)の塊。もしこれが剥がれて脳の血管が詰まると脳梗塞を発症、心臓の血管なら心筋梗塞。
プラークですか。
脳梗塞で半身麻痺ですか。
そうですか。
それって非常に困ります、飛行機の墜落事故で死ぬよりも辛いですね。
それにそう言えばこの間心筋梗塞になりかかったT先生、俺より2歳下じゃね?
なんかいつの間にか、体がエラい事になってました。
コレステロールを何とかせねば。
コレステロールの目標値
ここで少しコレステロールの話。
コレステロールの目標値は個人の条件毎に細かく決められており、詳細は以下の複雑な計算アルゴリズムの通りです。
個人によって理想のコレステロール値はかなり違います。
動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版:第3章 動脈硬化性疾患予防のための包括的リスク管理より(これは覚えなくていいです)




私はこの複雑な計算式の存在は知っていましたが、自分自身の検査結果をそれに当てはめる作業を怠っていました。
73ページに、上記の複雑な計算をやってくれるアプリの紹介があります。

QRコードで紹介ページが開きます。


アプリです。但しこれはプロ用。コレステロール値の目標値の数字が算出できます。

プロはこのアプリをそのまま使いますが、一般用にはもっと簡単なアプリを紹介されます。

一般用のアプリでは個人別のリスク計算がされます。

たとえ検診で「コレステロール正常」「ちょっと高いぐらい」とか言われたとしても、その人置かれた個人的条件に照らし合わせると「とんでもなく高いので治療が必要」との結果になるかもしれないので油断できないということです。
これはコレステロールの理想値が個人によって大きく違うことに起因します。
まとめ
てな感じでここ3ヶ月間、椎間板ヘルニアの痛みで闘病しておりました。
が、その薬の副作用のふらつきのため運動不足になり糖尿病が悪化して内科受診すると、高コレステロール血症の方が深刻な事態であったというオチです。
そう言えば、コレステロールを下げる薬が普及して心筋梗塞がグッと減ったと同僚が話していました。コレステロールはバカに出来ないと改めて思います。(正直、今まではバカにしていました。)
- 脳梗塞で半身麻痺の人が発生すると、その人が不自由な生活となるのは勿論ですが、そのせいで日本の医療費や医療介護のリソースを大きく消耗します。
- コレステロールを下げる薬でその発症率を抑えられれば、大変効率が良いです。そして発症率の低下は現実に達成されています。
- 理想の(LDL)コレステロール値はその人の置かれた状況により個人毎に違います。
- 医者でそれを知らない or 細かく計算しない人もおられます。(特に専門外の場合:私は自分自身の検査結果でもそうでした。)
- もしそれを超えた場合、コレステロールを下げる薬は早めに開始すべし、ということです。
今後、痛みが軽減すればタリージェ減量(そうしたらふらつきが無くなる予定)ですが、糖尿病とコレステロールの薬は一生モノと思われます。
60代も中盤に差し掛かると、まあ色々病気にもなるわな。
症状としては華々しい(痛みがひどい)けど命には別状ない椎間板ヘルニアと、症状は無いけど密かに進行して命を取りにくる高コレステロール血症を同時に経験しました。
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