ここ最近Amazonを偽装したフィッシングメール(Phishing mail)が連日届いていますので今回はこれを肴にしてみます。
届いたメール
届いたメールの差出人はAmazon.co.jpと表示されていますが、メールアドレスを確認すると全て@hotmail.comであり偽装であることが分かります。(アドレスを右クリック ー アドレスをコピー ー 適当な場所にペーストすると本当のアドレスが判明します)
メールの文面は下記の通りです。Amazonプライムの料金を払えていないのでクレジットカード番号を教えろとのこと。
赤のログインボタンをクリックすると、名前やカード番号を入力するサイトに誘導されます。
クリックするだけでマルウェア(ウイルスなどの悪性ソフト)を注入される恐れもありますので、クリックはしないでください。(特にブラウザやOSが最新にアップデートされていない場合やサポート切れの場合は厳禁です。)
届いたメールの数
ほぼ連日、1日1通の割合で届いています。(迷惑メールボックスに入りますが。)
メールの文面は全て同じですが、送信元とログインボタンのリンク先は全て異なっています。
以下、送信元メールアドレス(正確には@hotmail.comを付けますが省略しています)とリンク先サイト(正確には.comを付けますが省略しています)のドメイン名を列挙します。
- メールアドレス : リンク先のドメイン名
- hrt4cqwaq3f ; amigo-nadejda
- h5btadvgrup : robo-robo
- tpxvjxxrrniuhz : reussir-en-couple
- sbaqbuvha : parachutesalaska
- vmgabammbaa : rosemarylamberson
- gfgbuncvbn : shd-pare-brise
- hrt4cgwqq3f : amigo-nadejda
- y8shahdg : plantsupporter
- pchvtxfb : dvbeprintinterfirm
- cbhrfrje : ecoconsultingcorp
- cycmrhcd : lesnayapolyana
- dhcvhkhqjn : ourlittlefarms
- xqkdgkxut : yimiantie
- tkdtkjf : fortunetraveling
- dtqypqx : greatpetlodge
上記サイトのIPアドレスは全て同じです。(CMANで検索可能です)
つまりこのIPは複数のドメイン名を使っていることになります。
詐欺サイトの分析
さて、ここからはこのサイトをネタにOSINT情報を集めてみます。
shodan
まずはshodanでこのIPを検索。
サーバーの位置はアメリカ・テキサス州ダラスとなっています。
サーバーのポートやサーバーの脆弱性情報などが列挙されています。
Censys
続いてCensys。
場所はやはりダラスとなっています。あちこちクリックすると色々な情報が出てきます。
Netcraft
さらにnetcraft。検索窓は一番下の左にあります。
色々情報がありそうですが、詳細は省略。
Maltego
maltego : 詳細は省略しますが、一例としてこのような図が得られました。
小括
これらの情報サイトにアクセスする行為は全て、詐欺サイトに直接アクセスしている訳ではなく、これらの情報サイトを通じて、この詐欺サイトの ” 評判 ” を聞き込んでいるだけという形式になります。
つまり一般に公開されている情報を集めているだけなので、ここまでの行為は犯罪ではありません。
pwnedメールアドレス
さて、なぜ私のメールにこのような迷惑メールが届くのか、それは過去に大規模なメールアドレスの漏洩事件が繰り返し起こっており、その漏洩したメールアドレスの中に私のメールアドレスが入っていたからです。
私は5個くらいのメールアドレスを持っていますが、迷惑メールを受け取るのはいつも、その漏洩のあった1つだけです。
自分のメールアドレスが過去に漏洩しているかどうかは、ここで調べれば分かります。
サイトの検索欄に、自分のメールアドレスを入れて検索すると、 ” Oh no ” の文字。これは過去に漏洩が起こったメールアドレスだということが分かります。
私のメールアドレスは10年以上前に、とあるクラウドサービス業者の大量メール漏洩事件が起こった結果、広く知れ渡っている、とのことがこのサイトの下の方に書かれています。
自分のメールアドレスが漏洩している場合、その漏洩サイトで使用していたパスワードもセットで流出しているので、他のサイトで同じセットを使用している場合などは早急なパスワード変更が必要です。
pwnedとは
ownedと同義語。(キーボードの ” o ” と ” p ” は隣同士で、よく打ち間違えられる?理由でこの同義語が発生した)ネットスラングでは「誰かを負かすこと」の意味で使われます。
pwnedは、「やられた」「やられている」という意味となります。
まとめ
届いたフィッシングメールを肴にしてOSINTを行ってみました。自分には深く調査する能力が無いので表面上のみの調査ですけど。もう少し勉強しなくては。
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